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カギが与えてくれる安心感
カギをかけるということを日常生活の中で当たり前にやっている私たちは、それが与えてくれる安心感について、深く考えたことがあるでしょうか。
たとえば私の日常でいえば、朝、仕事に行くのに家の玄関のカギをかけ、仕事場に着いて愛用の自転車にカギをかけ、診療所のドアのカギを開け、そして診察時間が来るまでの間、安全確保のために中からカギをかけるなど、さまざまなシーンでカギを開閉することが当たり前で、そして慣れた作業となっています。
カギをかけることについて改めて考えてみると、カギを開けるときにはどこか開放感というのか、開いた瞬間に明るい気持ちを感じるのに対し、カギをかけた瞬間にはどこかホッとした気分を感じます。
それは、カギがかかったことで安全が保証された、という感情を持つからではないかと思います。
ドアにカギがかかれば、外からの招かれざる訪問を防ぐことができますし、中にいれば安全、という気になります。
自転車を外に置いていたとしても、カギをかけておけば乗っていくことはできないという、これまた安心感を抱きます。
このように、カギというものは日常生活で当たり前に使っているものであるため、あまり深く考えてみるということはないものの、実際には人間の心にかなりの精神的な影響を与えるものであるということがわかってきます。
どれをとっても小さなものであるカギが、これほど人間の精神的な面に影響を与えるのだとしたら、これからはもっと大事に扱わなければならないと思います。
自分自身でいえば、これまでになくしたことのあるカギは自転車のカギだけで、家のカギや車のキー、ましてや預かっている仕事場のカギをなくしたことはありません。
カギをよくなくす人は、もしかしたらカギが与える安心感というものについてよく考えてみたことがないのかもしれません。
カギの大切さについて改めてしっかり考えてみれば、カギはもちろん、そのほかの紛失物も減るのではないでしょうか。